猫のお話

【ペットに関わる仕事について】国家資格の「動物看護助手」などについて

犬や猫などのペットに関わる仕事と聞いて、皆さんはどんな仕事を思い浮かべますか?

動物病院で働く獣医師や看護師、ペットの美しさを保つグルーマーなど、ペットに関わる仕事にはさまざまな種類があります。
その中のひとつ、「動物看護助手」や「ペット看護師」という仕事に大きな進展があったことをご存知だろうか。

実はこれまで、動物看護助手という仕事は民間資格としてしかありませんでした。しかし、2000年6月に成立し、2022年5月に施行された「愛玩動物看護師法」により、新たな国家資格として愛玩動物看護師法が誕生した。
近年のペットブームで、犬や猫の飼育頭数が増えている。伴侶動物に対する獣医療が高度化・多様化し、獣医師や動物看護師が担う業務も多岐にわたるようになったことを受けての改正しました。

この法律の導入により、国家試験に合格し資格を取得した者のみが、動物看護師を名乗り、動物看護業務の一部を行うことができるようになった。
これに伴い、民間資格を有していた動物看護師は、従来の業務を継続することはできるが、動物看護師という名称を使用することはできなくなった。

そこでまず、高い技術水準が確保され、国家資格を取得したことで業務の幅が広がった愛玩動物看護師の業務に注目した。

愛玩動物看護師の業務

①[獣医学] 愛玩動物の診療を補助する

獣医師の指示のもと、採血、投薬(内服)、マイクロチップの挿入、カテーテルによる採尿などを行う。
*国家資格として新たに実施可能となった。

②ペットの世話・その他の看護

入院動物の世話や診断以外の検査ができる。

③コンパニオンアニマルの福祉と適切なケアのためのアドバイス/サポート

<li>動物の日常ケア(爪切り、ブラッシング、歯磨きなど)を指導・助言する。</li>
<li>人と動物の共生に必要な基本的トレーニングに関する情報を提供する。</li>
<li>小学校を訪問し、学習活動を支援する。</li>
<li>老人ホームでのセラピー活動</li>
<li>小学校訪問による学習支援 ・老人ホームでのセラピー活動</li>
<li>自治体と連携した被災動物の適正飼養支援</li>
<li>動物のライフステージに応じた栄養管理等のアドバイス</li>

動物看護師は、人と動物の架け橋となる大切な仕事だと知りました。
主に医療に関わる仕事だと思っていましたが、教育活動や愛護活動など様々な分野があることを知りました。

また、マイクロチップの挿入や採血、投薬など、これまで獣医師にしかできなかったことが動物看護師にもできるようになったことは、獣医の仕事全体にとっても大きな変化だと思います。
医療的な判断は今後も獣医師しかできませんが、これまで以上に動物の異変に気づき、より良いケアができるようになることで、より迅速な治療につながることが期待されています。

こうしたペット関連の資格のうち、国家資格は「獣医師」と「動物看護師」だけだが、民間資格には多くの種類がある。

以下は当院スタッフの資格の一部(全てではありません)です。

コンパニオンアニマルの飼い主および世話人

動物の愛護及び管理に関する法律」の目的に基づき、伴侶動物の愛護と適正な使用・管理の普及・啓発活動を行うために必要な知識と技術を習得する資格。
コンパニオンアニマルの行動、正しい飼い方、動物関連法規、動物愛護の精神を多くの人に知ってもらうスペシャリストです。

ペット栄養士

ペットの栄養に関する知識の普及やアドバイスを行い、ペットの健康維持・増進を図り、動物福祉に貢献できる人材を育成するための資格です。
動物の消化器構造や疾病に関する基礎知識をもとに、ペットの栄養管理を行うことができます。

ホリスティック介護士

ホリスティックとは「全体」という意味。ホリスティックケアとは、健康のために広く全体的な視点からケアを行うことを指します。
この資格を取得すると、ペットが本来持っている回復力を強化し、病気やストレスに強くなることを目的に、食事、精神、身体などあらゆる観点から犬や猫の健康についてアドバイスができるようになります。

犬のトリマー(DGS)/猫のトリマー(CGS)

犬をショーに出品するために必要な美容、日常の健康管理、グルーミング技術、ショー審査に関する知識と技術を習得する。
犬や猫の美容や日々の健康についての知識をアドバイスすることもあります。

家庭犬トレーナー(CDT)

犬に人間社会で共生するためのルールを教え、飼い主に「家庭犬のしつけ」を指導する知識と技術を身につける。

ご紹介した資格はほんの一部で、他にもいくつかの資格を持ったスタッフがいます。
また、資格だけでなく、動物病院やペットショップ、グルーマーなどで経験を積み、獣医大学や獣医学部を卒業したスタッフもいます。

医学的な判断はできませんが、ペットのちょっとしたお悩みにもアドバイスさせていただきますので、お困りのことや気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。

まとめ

今回は、ペット看護師の話題を中心に、ペットにまつわる資格をいくつか紹介した。

ペット看護士という新たな国家資格も誕生し、以前よりも「動物と人との関わり」が重要視されるようになってきた。今ある民間資格が国家資格化される日も近いかもしれない。動物に関する法律がきちんと制定され、ペットと人間の関係がより良いものになり、すべての動物が幸せに暮らせるようになることを願ってやまない!