猫のお話

愛猫の「体温」を測ったことがあるだろうか。その2つの方法と、体温に異常があった場合の対処法について。

猫の体温を測ることは、健康状態をモニターするために重要です。しかし、猫に健康上の問題がなければ、それほど頻繁に体温を測る必要はないかもしれません。では、猫の体温はどのように測ればよいのでしょうか?正しい体温の測り方と、体温に異常がある場合の対処法をご紹介します。

猫の体温って実際どうなの?

実際のところ、猫の体温はどのくらいなのでしょうか?

成猫の体温は38~39℃の間であることが多く、猫の平熱は人間より数度高いのが普通です。

猫の体温は年齢によって少し変化します。子猫は成猫よりも体温が高く、老猫は成猫よりも体温がやや低い。

猫の体温はどうやって測るの?

猫の体温の測り方と、体のどこを測るのかについて説明します。人間用の体温計で代用することも可能です。

1. 猫の肛門で体温を測る

人間の場合は脇の下で測るのが一般的ですが、猫の場合は「肛門」に当てて直腸で測ります。人間用の体温計を使う場合は、肛門に直接差し込まず、体温計の先端を食品用の薄いラップで包みます。ペット用の体温計は先端が柔らかく曲げられるので、流水で洗うことができる。

準備ができたら、猫の尻尾の付け根を持ち上げて体を支えます。肛門を見つけ、体温計を2~3cm肛門に挿入して測ります。

猫が暴れると直腸を傷つけることがあるので、じっとしていられない場合は無理に挿入しないでください。

2. 猫の耳から体温を測る

多くの猫は肛門からの測定に違和感を覚え、嫌がることが多い。定期的に正確に測定したい場合は、ペット用に販売されている「電子耳式体温計」の使用をお勧めします。

耳から体温計の先端を挿入し、挿入後すぐに体温を測定できる機種が多いので、警戒心の強い猫でも問題なく検温できます。動物用なので、先端が柔らかい素材でできているなど、安全性に配慮された体温計が多い。

近年、耳式体温計の精度は向上していますが、直腸式に比べると誤差が生じやすいため、動物病院では直腸式で測定することが多いようです。

体温が異常な場合の対処法

猫の体温が平熱を上回ったり下回ったりして異常がある場合は、獣医さんに相談することが大切です。しかし、その前に飼い主は猫の状態が悪化しないよう、できる限りの対処をする必要があります。

体温が40℃を超える場合

平熱が37~38℃の猫は、体温が40℃以上になると発熱します。猫も人間と同じように、発熱すると心拍数が上がり、呼吸が荒くなります。

これを改善するには、まず保冷剤や氷でゆっくりと体を冷やす。このとき、あまり急激に全身を冷やすと過労の原因になるので、冷やす部位は小さくしておくことが望ましい。首や脇の下など、血管の太い部分から少しずつ冷やしていく。

その後、水で固く絞ったタオルを体に巻いて熱を逃がす。うちわや扇子でそっと風を送ると、被毛の熱を逃がすことができる。

もともと水をあまり飲まず、汗をかきにくい猫は熱射病になりやすい。治療後は重症化する前に動物病院を受診しましょう。

熱射病であれば体温をしっかり下げる必要がありますが、感染症や炎症による「熱」の場合は、冷やしすぎないことが肝心です。すぐに病院に連れて行き、冷やし過ぎないように注意してください。

体温が36℃以下の場合

体温が36℃以下になると、体温の異常だけでなく、動かない、食欲がない、無反応などの身体的変化が起こることがあります。

まずは猫の全身をゆっくりと温め、体温を正常に戻すことが大切です。急激な温度変化を避けるため、ヒーターや湯たんぽをタオルで包んでから体に触れさせる。柔らかい毛布で体を覆い、熱を逃がさないようにする。

猫の体温が36℃以下に下がったら、おそらく生命に関わる変化が体内で起こっています。すぐに動物病院に連れて行きましょう。

まとめ

猫の健康をよりよく管理するためには、月に2~3回程度、定期的に体温を測定する必要があります。体温は猫がリラックスしている時の方が安定しており、より正確に測定することができます。

人間用の電子体温計で猫の体温を測ることもできますが、嫌がって暴れたりすると危険ですし、正確に測るのが難しい場合もあります。確実に素早く体温を測りたい場合は、発熱体温計を使いましょう。

定期的に体温をチェックしておけば、猫が病気になったときにも健康状態を把握しやすくなります。異常が見られたら、すぐに対処して獣医に相談しましょう。