愛猫と一緒に暮らしているのだから、できるだけ快適な環境を与えてあげたい。
飼い主なら誰もが考えたことがあるのではないだろうか。
猫の飼育に関しては、環境省が「完全室内飼い」を推奨しているほどだ。
改めて、なぜ猫を室内で飼うことが望ましいのかを考えてみると、その理由は「大切な猫をあらゆる危険から守るため」である。
外には感染症、交通事故、他の猫とのケンカ、迷子・・・さまざまな危険がある。
猫の習性を考えたら、完全室内飼いの方がストレスになるのでは?
そう思うかもしれないが、猫は体を上下させたり、おもちゃで遊んだりして十分な運動をしている。一人遊びや飼い主との触れ合いもストレス解消になる。
繁殖に伴うさまざまなストレス要因も、避妊・去勢手術によって取り除くことができる。
すでに外を散歩する習慣のある猫なら、最初は習慣で外に出たがるかもしれないが、室内環境を快適にして、外に出られないようにしておけば、たいていの猫は室内生活に慣れる。
この場合、「脱走」に備えて特に注意が必要だ。ドアの開け閉めには注意し、窓や網戸には鍵を取り付けることをお勧めします。
室内で飼っている猫でも、マイクロチップや迷子札に連絡先を書いておくことを忘れずに。災害で迷子になった時や、万が一脱走してしまった時に家に戻る有効な手段です。
今回のテーマは「猫の室内飼い方」ですが、まずは猫にとって快適な環境づくりに欠かせない「猫の習慣」についてお話ししましょう。
猫本来の習性について
捕食者である
肉食動物である猫には、獲物を探し、狩り、殺す本能がある。動くものには素早く反応し、逃げるものは追いかける。そのため、多くの猫用おもちゃは、動いて捕まえようとする猫の本能を刺激するように設計されている。
単独行動を好む
猫はもともと単独行動を好み、一匹で暮らすことを好む。そのため、身体表現や声による表現が少なく、犬のコミュニケーション方法に比べると非常に理解されにくい。また、自分に関係のある動物や、仲間として信頼できる動物と仲良くすることができると言われている。猫と仲良くなるためには、普段から時間をかけて信頼関係を築いていくことが大切です。
縄張り意識が強い
猫は縄張り意識の強い生き物です。安心して飲食や排泄、休息ができ、危険を感じたら隠れることができる縄張りは、猫にとってとても重要です。
猫は縄張りをマーキング(匂いをつける)することで、他の動物に自分の縄張りを示す。マーキング行動は、顔や体から分泌されるフェロモンをこすりつけたり、自分の尿や糞の匂いを嗅いだりする。よく壁に顔をこすりつける仕草は見ていてとても可愛らしいが、実は縄張りを主張しているのだ。
きれい好き
猫はとてもきれい好きだ。リラックスして顔を洗ったりする姿はとてもキュートで、自分の体をなめたり、毛並みを清潔に保ったりしている。
また、トイレのしつけにはとても厳しい。人間の何倍も嗅覚が優れているため、トイレが糞尿で汚れていたり、他の猫の糞尿の臭いがしたり、少しでも不快に感じるとトイレを我慢してしまう。また、自分の糞を猫砂で覆って隠し、自分の臭いを消すことで危険を回避する。
上下運動
犬と違って、猫は高いところに登ることができる。猫は「待ち伏せスタイル」で狩りをするが、高い場所は獲物を見つけやすく、外敵に襲われにくいので安心して休める場所でもある。
こうした習性を踏まえて、猫が日常生活を快適に過ごすために必要なものを見てみよう。
猫が快適に過ごすために必要なもの
爪とぎアイテム
猫の爪とぎには芳香効果があり、縄張り意識の表現でもある。家具をひっかくこともあるので、家具の破損防止にも爪とぎグッズは有効です。縦型や丸型など形もさまざまなので、猫種や好みに合わせて選びましょう。
トイレ
トイレの理想的な数は「猫の数+1」。猫はきれいなトイレが好きなので、清潔に保ちましょう。大きめのトイレがおすすめです。猫の習性にもあるように、臭いが残っているとトイレを嫌がることがあり、それが病気の原因になることもあります。猫の健康のためにも、トイレは定期的に掃除しましょう。
おもちゃ
猫にとって運動はストレス解消のために大切です。猫の捕食者としての本能を刺激するために、動くおもちゃがおすすめです。小さいサイズのおもちゃやビーズのおもちゃは誤って飲み込んでしまうことがあるので、誤って飲み込まない大きさのおもちゃを選びましょう。
隠れ場所
猫は狭くて安全な場所が大好きだ。多くの猫はダンボール箱や紙袋が大好きです。ダンボール箱(私たちが商品をお届けするときに使っているダンボールがおすすめです)などを手作りしてみましょう。手作りが苦手な方は、ペットショップで売られているキャットドームやキャリーバッグを利用して隠れ家を作ってみてください。
上下運動ができる場所
運動不足解消やストレス解消のために、猫専用のキャットタワーや猫の散歩道を作ってあげるとよいでしょう。猫種によって運動量が異なるので、愛猫に合ったものを用意しましょう。
外を眺める場所
猫が窓の外から鳥や人をじっと見ているのをよく見かけますが、実はこの外を見ることは猫にとってとても刺激的で、退屈しにくくなります。外を見ながら日光浴もできるような、日当たりのよい場所を作ってあげるとよいでしょう。
リラックスできる場所
猫は柔らかい布地の上や暖かい場所に寝るのが好きだ。一生の大半を寝て過ごす猫にとって、ベッドの位置は重要だ。静かで薄暗く、暖かい場所がベストだ。トイレも近くにあるのが理想的だ。ベッドは猫が丸くなって眠れる大きさで、掃除がしやすい形が望ましい。
ケージ
子猫がすでにケージに入ることに慣れていれば、災害や入院などの緊急時に役立ちます。普段からケージをシェルター代わりにして慣らしておくとよい。
猫と暮らすためのヒント
快適な室温にする
夏は26~28℃、冬は20~22℃」を目安に。猫の体調に合わせて温度を調節しましょう。湿度を保つことも大切です。エアコンは乾燥させるので、湿度には十分注意してください。
飲み込むと危険なものは置かない
食べると中毒を起こす観葉植物、噛むと感電する電気コード、誤って飲み込む可能性のあるひも、針、糸、ボタン、薬など、危険なものは猫の手の届かないところに置きましょう。
事故を起こしそうな場所には近づけない
調理台、浴槽、流し台など、禁止区域を設けて仕切りでバリケードを作り、猫に知らせておくとよいでしょう。
アロマは燃やさない
もともと肉食動物であった猫は、植物を体内に摂取する必要がなかったため、植物由来の精油成分を代謝できないと考えられている。猫の肝臓には精油成分を無毒化する酵素が人間や犬に比べて少なく、アロマバスに入ると毒素が蓄積して中毒を起こす可能性がある。注意してください。
人間には与えないでください
同じ家族でも、猫と人間では必要な食事が違います。猫にとって有毒なものも多いので、人間の食べ物は与えないようにしましょう。
まとめ
猫は完全に室内で飼われると、他の社会や動物との接触を失い、退屈する傾向がある。それを補うために、飼い主は毎日猫と触れ合うようにしなければならない。話しかけたり、撫でてあげたり、おもちゃで遊んだりする時間を作ることが大切です。毎日のふれあいは病気の早期発見にもつながりますし、ちょっとした変化にもすぐに気づくことができるので、欠かさず行うようにしましょう!
猫にとって快適な空間をつくるには、まず猫の習性を理解することが大切です。その上で室内環境を整えれば、すぐに生活の質(QOL)の向上につながりますので、ご家庭の環境に合わせて実践してみてください。