猫のお話

【愛犬・愛猫の肥満対策】減量の鍵は食事と運動だ!

今回のテーマは犬と猫の肥満である。

ある調査によると、都市部の犬や猫の30%近くが肥満だという。
ペットの肥満問題は、多くの飼い主の共通の悩みといってもいいだろう。
私たちのところにも、愛犬や愛猫が太りすぎ(肥満)ではないかと心配する電話がたくさんかかってきます。

私が学生時代に飼っていた愛犬も、一時期早熟な肥満でした。

食欲旺盛で、好き嫌いが全くなく、何でも食べていた。食べ物を与えれば、1分もしないうちに食べてしまう。しかも、いつもおやつを欲しがった。
当時の私はまったく無知で、(恥ずかしながら)彼の要求をすべて受け入れ、できる限り甘やかしていた。

ある日、健康診断のために動物病院で体重を測ると、過去最高の体重になっていた!

獣医は愛犬の太った体格を見て、”これ以上太るとヘルニアなどになる可能性があるので、食事制限をして余分な体重を落としてあげたほうがいいかもしれません “と言った。という警告が送られた。
私は初めて焦り、ついに食事に目をやった。

このコラムでは、私自身の苦い経験から、「肥満」とは何か、そして適正体重に向けてどのように減量を計画すればよいかを説明します。

愛犬・愛猫の「肥満」とは?

肥満とは「体脂肪の過剰な蓄積」のことです。具体的には以下のような状態を指します。

体脂肪率が35%以上
体重が犬で適正体重より15%以上、猫で適正体重より20%以上多い。

肥満は見た目や触った感じでもチェックできます。

これはボディ・コンディション・スコア(BCS)と呼ばれる肥満の評価方法で、太り具合を5段階(9段階の場合もある)で評価する。

理想的な体型とされる5段階中3のボディコンディションは、「肋骨を触ったときに余分な脂肪を感じず、上から見たときにウエストが肋骨をつまむようなボディコンディション」と定義されています。

ボディコンディションスコアについては、環境省の「飼い主のためのペットフード・ガイドライン ~犬・猫の健康を守るために~ 」を参照。

また、単に肥満と判断された犬や猫でも、実は脂肪ではなく病気が隠れている場合もあります。心配な方は、愛犬・愛猫が適切な体格かどうか、獣医さんに相談することをお勧めします。

愛犬や愛猫の肥満の原因は?

肥満の主な原因は2つあります。

[1】飼い主による過剰な給餌
[2】運動不足

簡単に説明すると、【摂取カロリー>消費カロリー】です。

愛犬や愛猫にご飯やおやつをもらえるのが嬉しくて、ついつい食べさせすぎてしまう気持ちはよくわかります。私も同じでした。

しかし、犬や猫は自分で食事をコントロールすることはできません。飼い主が与える量や回数をコントロールすることが大切です。肥満になりやすい犬種もいるので、より注意が必要です。

肥満の健康リスクは

肥満は多くの病気のリスクを高める。

  • 糖尿病(※特に猫の場合)
  • 脂肪肝(※特に猫の場合)
  • 急性膵炎(特に犬)
  • 呼吸ストレス
  • 運動関連疾患の悪化
  • 薬物動態への影響(※麻酔リスクの増加)
  • 寿命の短縮
  • 調査によると、犬・猫にかかわらず「中高年のメス」に肥満が多いが、避妊・去勢手術は性別に関係なく体重増加を増加させます。これは、安静時代謝の低下、身体活動(散歩や性行動)の低下、食欲抑制ホルモン(エストロゲン)の減少によるものと考えられている。

    したがって、避妊・去勢手術後に以前と同じフードやおやつを与えると、体重が増加する危険性があります。

    愛犬・愛猫のための「減量計画」!

    目標体重を設定する

    ペットが太っている場合は、まず獣医に相談して適正体重を決めましょう。

    目標体重が決まれば、減量計画を実行することができます。

    ただし、人間のダイエットと同様、急激な減量は犬や猫にとって大きな負担になります。筋肉量を落とさないように脂肪を落とすことが大切です。

    特に猫の場合、長期の絶食は他の病気の発症リスクも高めます。無理なダイエットは厳禁です。

    基本は「食事の見直し」と「適度な運動」

    まずは「食事の見直し」から。満腹感を得られる食物繊維の多い食事に切り替え、猫には高タンパク低糖質の食事がおすすめです。

    同時に「適度な運動」も重要だ。犬は1日2回、20~30分の散歩が望ましい(※犬種によって異なるのであくまで目安)。
    散歩をしない猫は室内で運動させる。キャットウォーカーやおもちゃを使った上下運動がおすすめ。

    餌の量

    フードの量の目安は、製品のパッケージに記載されています。体重を基準に目安が示されていることが多いが、この時、現在の体重ではなく「理想体重」を見ることが重要である。

    理想体重の栄養量が現在の量よりずっと少ないと、最初は「これで終わり?足りない!」と思い、補食を欲しがるようになります。
    もしかしたら空腹で胃液を吐いてしまうかもしれません。

    このような場合は、1日の食事回数を増やし、空腹時間をできるだけ短くするようにしましょう。
    食べるのが早すぎる場合は、でこぼこのついた早食い防止用のフードボウルを使うとよいかもしれません。

    また、「減量=給餌量を減らす」と思われがちだが、低カロリー食に切り替えるという方法もある。食事の量を極端に減らす必要がないため、愛犬・愛猫のストレスも少なくなります。

    また、体重超過の程度によっては、獣医師から療法食を処方されることもあります。その場合は、目標体重に達するまで療法食に切り替えてください。

    体重の減少速度をコントロールする

    体重が徐々に減ってきたら、「体重減少率」をチェックしましょう。

    体重減少率は一定に保つ必要があります。犬の場合は1週間に「0.5~2%」、猫の場合は1週間に「0.5~1%」です。

    繰り返しになるが、急激な体重変化は犬や猫にとって大きなストレスとなる。減量計画の初期段階では、2~3週間ごとにチェックすることが望ましい。

    また体重が増えるのを防ぐために

    減量に成功してすぐにすべての制限を解除すると、また体重が増える可能性があります。
    減量には時間がかかるが、増量は一瞬だ。人間で言えばダイエットのようなものです。
    再び太らないためには、次のことに気をつけましょう。

  • カロリーコントロール
  • 餌の量を意識する
  • 食事の時間を決め、できるだけ残さない
  • 餌の与えすぎ、おやつの与えすぎに注意する
  • 動物が何かを欲しがっているそぶりを見せても甘やかさない
  • 数頭いる場合は、お互いに餌を取り合わないような対策(別々の皿、ケージ内での個別給餌など)をとる
  • まとめ

    家族の一員同然の愛犬や愛猫にいつまでも健康でいてほしい、いつも一緒にいてほしいと願うなら、肥満の予防は大切です。

    愛犬や愛猫が夢中になってご飯を食べたり、太ってぽっちゃりしている姿はとてもかわいいものです。しかし、太り過ぎはそれ以上に多くの欠点があります。体重管理は大変ですが、時には用心することも大切です。

    愛犬や愛猫の健康を守れるのは飼い主だけです。体重過多で愛犬や愛猫が病気になったり、運動ができなくなったりするのは避けたいものです。

    食事量や運動量を見直すことで、愛犬・愛猫にとっても飼い主にとってもより良い毎日になることを願っています。